ワインを熟成するとボトルの底にゴミの様な物が溜まっていたりしませんか?
その底に溜まった物が、澱と呼ばれる物です。
ワインに限らず、ウイスキーや日本酒でも澱という物は存在しています。
ウイスキーは製造過程において冷却濾過をしなかった場合に、日本酒ではこの澱も味わいの一部もして濾過を粗めにして、「おりがらみ」や「にごり」という造りにしたりと、それぞれの酒類別に特徴があります。
今回は、私の好きなワインの底に溜まる澱について書いてみました。
赤ワインの澱はいったい何?
私が赤ワインの底に溜まっている澱を初めて見た時は、何か不純物が溜まっている!と思いました。
カスの様な物がユラユラと軽く振っても、しばらくすると沈殿してきます。
このカスの様な物があるボトルを光にかざすと、ボトルの底辺りに黒っぽいゴミの様な異物が見える時があります。
(あまり光にかざすのは良くないですが・・・(笑))
この澱は時間と共に自然に溜まっていきますので、長期間の熟成を経た赤ワインによく発生しています。
この澱という物は、熟成の過程において赤ワインの旨み成分でもある、タンニン、ポリフェノール、色素成分のアントシアニン等が結晶化した物が目に見える形となって溜まってきたものです。
クオリティの高いしっかりと熟成されたワインでよく見かけるのは、旨み成分のタンニンやポリフェノールを多く含んでいるからで、きっちり濾過されていない等というわけではありません。
澱は身体に悪いもの?
もし口に入れてしまったとしてもワインの旨み成分の結晶なので、特に身体に良くないという事はありません。
ただ口に入るとザラザラした感じや苦味などがある為、出来るだけグラスに流れない様にしています。
ボルドーの赤ワインは熟成向きということもあり、ボトルの形状がいかり肩タイプでしたよね。
あのボトル形状も、この澱をグラスに入れない為の、対応策の1つという事です。
→その時の記事「【ワインの知識】ボルドーとブルゴーニュにおける瓶底の謎」はこちら
澱があるからといって、クオリティが低いというわけではありません。
むしろ、熟成されている証だと前向きに考えて頂ければと思います。
残念ながら私がよく購入するワインには、澱の発生はない事が多いですね(笑)
澱のあるワイン初めて飲んだ!
ドメック2級ごちそうさまでした!#レオヴィル・ポワフェレ pic.twitter.com/h8w01aDiTu— くま (@by_kuma) 2018年1月2日
白ワインにも澱はあるの?
白ワインの場合は、澱よりもガラス破片の様なキラキラした物を見ることがあるかも知れません。
これは酒石酸とカリウムなどのミネラル成分が結合して出来た、「ワインのダイヤモンド」とも呼ばれる酒石酸カリウムの結晶です。
ノンフィルターと言われる濾過していないワインに発生したりします。
この白ワインの結晶でもある「ワインのダイヤモンド」も、赤ワインと同じくミネラル成分を十分に含有したワインに生成されたりします。
瓶の底だったりコルクの内側に付着している事を見かけるかも知れませんが、決してガラス片か「ワインのダイヤモンド」かどうかしっかりチェックしてくださいね(笑)
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